という事になりそうですね。
当院では、現在、ほとんどの患者さんに
デュアルホワイトニングで治療を受けて頂いております。
その経験から、歯の色の系統と白くなってゆくスピードにある程度の関連を見つけました。 表2がその傾向を表したものです。
表 2 |
縦軸が白さ(明度)を表し、横軸が時間の経過を表します。
表を見ると、A系統の色が早く白くなり、一番手間のかかるのがC系統ですね。
それでは、各系統の色の白くなってゆく経過につきお話してゆきましょう。
但し、歯の表面構造や年齢といったホワイトニングに影響を及ぼす他の要因は全て同じであるとの仮定で話を進めてゆきます。
◆ A系統の歯のホワイトニングに対する反応
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表3に示す通り、『A系統』の色の歯は、全体として黄色味を帯びた単色の歯で、ホワイトニング治療に良く反応して、 比較的短期間で白くなってくれます。
しかし、短期間で大きく変化した状態は、生体の持つ『恒常性』により、早期に元の状態に戻ろうとする反応が 見受けられます。 |
速く白くなった歯は、色の後戻りも早期に起こる傾向があるという事になります。
これは経験上の感想ですが、1回のオフィスホワイトニングで10シェード以上も明度が上がったような歯に限って、 翌週まで毎日ホームホワイトニングを行っていたにもかかわらず、シェードが少し落ちて暗い色になりやすいと
感じています。
これは『A系統』の色の歯が宿命として持っている性質で、歯科医はこの事を熟知して『A系統』の色の歯のホワイトニング治療に当たる必要があると感じます。
『A系統』の色の歯の治療に当たっては、主に色の後戻りを丁寧に観察しながら、限界のマスキング効果が得られるように、丁寧なホワイトニング治療が望まれます。
『A系統』の色の歯の患者さんのホワイトニング治療を行いますと、直ぐに白くなってくれますので、患者さんからは 大変喜ばれます。
しかし、歯の色の戻りも速いので、その事を患者さんにしっかりとお伝えして、限界のマスキング効果が得られるまで 頑張ってホワイトニング治療を受けて頂いております。
◆ B系統・D系統の歯のホワイトニングに対する反応
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B系統の歯は全体として黄色く、歯ぐきとの境目が濃い黄色またはオレンジ色のツートーンカラー、D系統の色の歯は全体として黄色く、 歯ぐきとの境目がグレーのツートーンカラーです。
これらのB系統・D系統の色の歯のホワイトニングに対する反応は似通っており、だいたいの反応は表4に示したように変化してゆきます。 |
歯と歯ぐきとの境目の色がなかなか白くならず、強情なケースでは最後まで消えずに薄く残る事もあります。
但し、適切なホワイトニング治療の後には、歯全体の明度が上がるため、最終的に気になる方はおられない様です。
『B系統・D系統』の色の歯は、ホワイトニング開始後しばらくの間は、思ったほど歯の明度が上がりません。
患者さんにしてみれば、
『毎日頑張るのに一向に変化が無いなぁ・・・・。』
と張り合いの無い日々がしばらく続く事になります。
なぜ、このような時期があるのか、良くわかりません。
しかし、やがて急速に明度・彩度ともに上がる時期がきます。 この時期が最も大切で、白くなったからと安心せずに、患者さんを激励しながら確実にホワイトニング治療を進めます。
そして最終的には、歯の明度もB1・A1といったかなり白い色に近づき安定してきます。
◆ C系統の歯のホワイトニングに対する反応
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C系統の歯は、全体がグレー(灰色)の単色の歯で、
最もホワイトニング
治療が困難な歯
です。 |
しかし、C系統の歯の方は、ご自分の歯に絶えず劣等感を持ち、いつも『何とかしてあげたいな』と考えたくなる 様な色の歯です。
まず、C系統の色の歯の方には、ホワイトニング治療に限界があることをお知らせします。
限界があると言っても、頑張ってホワイトニング治療を続ければ、だいたいA2程度の明度にまで白くなりますので、 治療終了後には、全員の患者さんに満足して頂いております。
ホワイトニングに対する反応を観察すると、すこしづつではありますが、確実に明度が上がってきます。
◆ ホワイトニング治療を受ける歯科医院の選び方
優れた歯科医師の条件としては、次のような事が考えられます。
① ホワイトニングについての豊富な知識を持っていること。
② あなたの歯の性質について詳しく説明できる能力があること。
③ 歯科医院でのホワイトニングの治療方針を明確に示せること。
④ ホワイトニングの料金の見積もりをきちんと示せること。
⑤ ホワイトニング治療中・治療後の歯磨き等の歯の管理について十分な説明が出来ること。
⑥ あなたに合った適切なホワイトニング治療をしてくれること。
これらは、よく考えてみれば、すべて当たり前のことです。
しかし、ホワイトニングのメカニズムにはまだ解明されていない部分もあります。
実は、ホワイトニングは、ここ20年ほどの間に急速に発達してきた技術です。 現在でも、大学の歯学部ではホワィトニングの講義は、ほとんど行われていませんし、専門の講座もとても少ないのが実態です。
文献や専門書籍も少なく、ホワイトニングの基礎知識と技術の習得には大変苦労します。
ホワイトニングのときに、人によっては治療中に痛みを訴えたり、後から知覚過敏が出たりす る場合がありますが、なぜ人によって違いがあるのか、不都合な症状が出ないようにするにはど
うしたらよいか、また不幸にして不快症状が出てしまったときにどう対処するかということについ て、きちんと勉強している先生に見てもらう必要があります。
このようなことも含めて、トラブルを事前に回避できる力量のある歯科医師に治療してもらうの がベストです。
では、どうすれば優れた歯科医師を見分けられるのでしょうか。
それは簡単なことです。
ホワイトニングの治療を受ける際、いろいろと詳しい相談をしてみてください。
そのとき、よく勉強している先生ならば即座に納得のいく説明をしてくれるはずです。
『白くならないホワイトニング』では話になりません。 お小遣いの無駄使いになるばかりでなく、精神的な落胆も大きなものとなります。
このページを読んで下さった皆様には、是非ホワイトニングについて勉強して頂き、信頼出来る歯科医師の元で治療を受けて頂ける事を心より祈念いたします。