口臭治療
◆ 口臭のメカニズム
■口臭の原因と起こるメカニズムを理解する
口臭にはどのような原因があるのかを知っておく必要があります。
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口臭とは、
お口の中の細菌により産生されるガス、
肺から出て気管を通過してくる呼気ガス、
唾液そのものの臭気
の3つが口で呼吸したときに口から出て来た臭いということになります。
鼻呼吸をしていたときにでれば、鼻から出てくるので鼻臭となります。このときは鼻の内部を息が通過してくるので当然、鼻の中の臭いも拾ってきます。
肺から出て気管を通過してくる呼気ガスはみなさんがよく、胃から出て来ると思っている臭いです。
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しかし、胃と口腔は食物を飲み込む時以外交通しないので、胃の臭いが呼吸とともに排出されることはありません。ただし、あたりまえですがゲップをしたときは胃の内部の空気がそのまま出てきます。
お話しをすれば息は口から出てくるし、普通に呼吸すれば鼻から出てきますので、口臭や鼻臭といいますが、単に口の中や鼻の中の臭いだけが原因ではありません。
肺からでてくる臭い、つまり血液中の臭いが肺で代謝されたものや、のどの奥の臭いも関係します。
他覚的に口臭が認められる患者さんの80%以上はお口の中に原因があり,そのほとんどは歯槽膿漏などの歯周病や虫歯,食事の食べかす、歯垢、歯石、舌苔による舌の汚染,不潔な義歯からの臭いです。
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■口臭の実態
口臭の原因物質は主に揮発性硫化物です。
揮発性硫化物の毒性は青酸ガスより強く(怖いですね!)、歯周病の発生を促進し進行させる事が知られています。
つまり、口臭予防は歯周病予防や治療にもなります。
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☆ 呼吸器疾患(気管支拡張症、肺癌など)
☆ 消化器疾患(食道癌、食道ヘルニア、胃癌等)、
☆ 耳鼻咽喉疾患(咽頭膿瘍、副鼻腔癌など)等
☆ 咽頭部、気管支、肺のカンジタ感染等
☆ 肝硬変、肝癌等
御覧になってお分かりの通り、お口の中以外からの『口臭』は特別なものが多く、
皆さんが悩んでおられる口臭はほとんど口の中に原因があると考えて良いと思います。
口臭の種類は、大きく『生理的口臭』と『病的口臭』に分類されます。
■生理的口臭
朝起きた時や、空腹・疲労・緊張した時に感じる口臭。 唾液の分泌が減少し、細菌が増殖し、口の中が汚れてしまうために口臭のレベルが高まりますが一時的なものです。
■病的口臭
治療の必要がある病気や機能低下が起こすもので、改善しなくてはならない原因があるものです。
口臭の最大の原因と考えられているもので、新陳代謝によって脱落した粘膜細胞(粘膜の表面に ある皮の部分)や白血球などの血球成分が舌についたもので、細菌によって分解されると悪臭が発生します。
口の中の清掃が不十分だと歯垢がたまりやすく、酸素供給のない歯垢の層の深い部分に嫌気性菌が増殖し、歯周病を進行させます。
さらにその菌によって破壊された組織や血球成分などのタンパク質を分解し、悪臭を作り出します。 むし歯の場合、大きなむし歯があると口臭の原因となります。
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唾液には口の中を洗浄・殺菌する働きがあり、唾液が減少すると口の中が汚れ、口臭が強くなります。
年齢を重ねると口臭が強くなるのは、唾液量が減少するためです。
また、食事を抜いたり、降圧剤(血圧を下げる薬)などの薬の副作用で唾液の量が減少することもあります。
生理的な口臭の範囲なのに、口臭を気にしすぎる場合があります。その事を心因性口臭と言います。多くの場合、専門の心療内科等での治療が必要になります。
このパターンの口臭は周囲の人には全く感じられません。
でも、良く調べてみると原因が見つかって、短時間で解決する事もあります。
口臭外来を標榜する歯科医院での数種類の『においを測定する器械』にも『ブレスチェッカー』にも反応しないタイプの『自分だけが感じる口臭』は、原因を突き止めるまでが厄介です。
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