入れ歯
◆ シリコーン裏装義歯
『コンフォート義歯』はバイテック・グローバル・ジャパンが開発・作製した『生体用シリコーン裏装義歯』の正式名称です。
当院では、現在御使用中の『噛むと痛い入れ歯』に、医療用生体用シリコーンゴムに非常に性質の良く似た材料を貼り付けて、『生体用シリコーン裏装義歯』での噛みごごちの素晴らしさを疑似体験して戴いております。
通常、この擬似体験をして頂いた後に『生体用シリコーン裏装義歯』作成するかどうかを決めて頂いております。
当院での生体用シリコーン裏装義歯作製希望の方は、必ず、現在使用中の『噛むと痛い入れ歯』をご持参下さい。
いままで、何回も義歯を作り直してみたけど、義歯がはぐきに当たって痛い!
『ギユッ』と噛み締めることが出来ない!
もっと食べ物を力強く噛み締めて食べてみたい!
いまだに、毎日、そんな事を考えながら
暮らしていらっしゃる方が、おられるのではありませんか?
生体用シリコーン裏装義歯は素晴らしい入れ歯ですよ !!
以前、インプラントを植立して、なんらかの不都合で、
このインプラントを除去しなくてはならなくなった方のはぐきは、
多量の骨を一緒に除去されている為に、
義歯の安定が非常に悪く、苦労なさっている方が大変多いようです。
どんなに素晴らしいインプラントでも、
その施術がうまくゆかなかったケースの末路は悲惨・苦悩でしかないようです。
そんな方にも、この生体用シリコーン裏装義歯は優しくフィットして、
安心して食事を楽しむ事ができます。
生体用シリコーン裏装義歯はいろいろな会社や研究所で開発実用化されています。
株式会社 臨床補綴技工研究所の『フェアリー』
有限会社ハイテックの『生体用シリコーン裏装義歯』
Kデンチャー研究所の『Kデンチャー』
なども、入れ歯の裏面に生体用シリコーンを貼り付けた入れ歯です。
でも、『コンフォート義歯』と呼べるのは
株式会社バイテック・グローバル・ジャパン
が、研究・開発し実用化した生体用シリコーン裏装義歯だけです。
■当院での症例
当院での『生体用シリコーン裏装義歯』の症例
何回『入れ歯』を作ってもらっても、噛むと痛い。
何回調整してもらっても、その時には良くなったような気がして、帰宅して食事をとってみると、今度は別の場所が当たって痛い・・・・・・もう10年近くこんな事を繰り返してきました。
右の写真はそんな患者さんに、当院で作製した、金属床生体用シリコーン裏装義歯です。
『金属床義歯』のページで御紹介しましたように、この義歯に使用した金属はコバルトクロム合金です。
『チタン』を使用した義歯は、その物性により生体用シリコーン加工には不向きです。
この症例では、お口の中に残っている歯が丈夫でしたので、この残りの歯にバネを掛けて、かみ合わせる力をバネとコンフォート加工部分の両方に分散して負担するという形で義歯を作製しました。 |
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左の写真は『はぐき』に接する部分です。
この部分に『生体用シリコーン』が貼り付けてあります。
ちょうど、硬い義歯と軟らかい粘膜の間にクッションの役目をする層があると考えて下さい。 |
右の写真では、入れ歯の外側に、入れ歯の硬い材料と生体用シリコーンの境目が見えているのがお分かりになると思います。 |
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さて、この患者さんのはぐきは元々かなり痩せているため、普通の入れ歯では、お口の中で少しでも動くと、痛かったり、傷が出来たりして、ほとんど噛めない状態になります。
私も、最初は健康保険で義歯を作り、調整を繰り返してみましたが、全くのお手上げ状態で、調整しても調整しても、1週間も経たない内に別の位置に傷を作って来院されます。
「削りすぎたかな?」と思ったら、お口の中で入れ歯の下に新しい材料を追加(裏装)して調整してみます。 すると、その日は納得されて帰宅されます。
しかし、しばらくすると、またあっちが痛い、こっちが痛いといって削っては、また削りすぎての堂々巡りを1年以上繰り返しました。
そこで、思い切って患者さんに、この『生体用シリコーン』を裏打ちした金属床義歯を作製する事をお勧めして、了解を得て、約1ケ月かけて、義歯にいろいろな操作を加えて完成にこぎつけました。
装着の日、
『先生、全然痛くありません!』
と大喜びをされました。
『義歯は必ず調整が必要です。』とお話しして、次回の予約をとったのですが、当日来院されません。
どうしているのかと心配しておりました所、2週間くらいたってから、急に来院されて、曰く、
『すみません。あまりにも調子が良くて、義歯の調整に来院するのを忘れていました。お口の中全体で物をしっかり噛むことが出来て、久しぶりに食事が気持ちよく出来ています。』
との事で、安心しました。
お口の中を良く観察してみますと、どこにも傷が見当たりません。
1ケ所だけ気になる場所があるとの事で、その部分を少し削って調整しました。
今度から少しでもおかしかったら、直ぐに来院して見せてくださいとお話して、帰ってゆかれました。
あれから、もう長い事、この患者さんに会っていません。
いつも、『痛い、痛い』と飛び込んでこられていた患者さんが急に来なくなると、不思議なもので、少し寂しい気持ちになります。
つい先日、娘さんが来院されましたので様子を聞いてみると、
『母は、入れ歯の話は何もしません。先生の作って下さった義歯で、食事もおいしそうに食べていますよ!』
との事でした。
ともあれ、この生体用シリコーン義歯の威力の素晴らしさには脱帽でした。
『コンフォート義歯』はバイテック・グローバル・ジャパンが開発・作製した生体用シリコーン裏装義歯の正式名称です。
次は、総入れ歯の症例です。
この写真は、当院に来院前に使用していた義歯です。
下顎は完全に痩せきって、ほとんどフラットに近い状態で、全く安定性がありません。
そのため、これは少し専門的になりますが、義歯の内側を長くして顎下骨筋線の窪みにまで延長して、義歯が動きにくいように工夫されて作製された義歯です。
写真をみると、内側が長いのがお分かり頂けると思います。
多分、この義歯を作製された先生は、相当苦労なさったのではないかと、そのご苦労を推察致します。
この患者さんの『入れ歯お悩み歴』は15年と長く、やはり、調整しても調整しても痛くて噛めない状態が長期間続いて、もうどうしようもなくなっていた状態の時、当院を紹介されて受診された患者さんです。
まず、入れ歯をみた時『これはまずいな!』と思った点がありました。
下の写真を御覧下さい。
もう、顎関節症・スマイルデンチャー・金属床義歯のページを御覧になった方には直ぐにお分かり頂ける事と思いますが、この患者さんにも『症状局所限局型』の顎関節症がありました。
今まで使っていた義歯を治療用義歯に転用して、約3ケ月かけて、生理的に適当と思われる下顎の位置を探しました。
入れ歯の奥の高さが高いのは、その時にプラスチックを噛み合わせる面の上に追加して、左右の噛み合せに関係する筋肉群のバランスを整えた名残りです。
良く見ると、相対的に前歯が低い状態ですので、この義歯をお口の中に入れて、噛んだ状態で舌を出す事が出来ます。
この状態になって始めて、義歯が義歯本来の機能を発揮できる状態になりました。
始めの段階から『生体用シリコーン裏装義歯』の説明をきちんとしてありましたので、この状態で型採りを行い、約1ケ月で、新しい生体用シリコーン裏装義歯が完成しました。
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上から見た写真です。
新しい生体用シリコーン裏装義歯です。
入れ歯のピンクのプラスチックと
生体用シリコーンの境目が解りますね。 |
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奥歯の高さも適切な状態になっており
ピンクのプラスチックと
生体用シリコーンの境目がはっきり
ご覧戴けると思います。 |
裏側から見た写真です。
はぐきと接する部分は前面に渡って
生体用シリコーンで覆われています。
生体用シリコーンの厚みは0.75㎜です。
内側の部分は、やはり延長して
顎舌骨筋線の窪みに入れ込んで
義歯の動揺を少なくするように工夫しました。 |
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この患者さんは『生体用シリコーン裏装義歯』が出来上がるのを、一日千秋の想いで待っておられました。
装着した瞬間、やはり第一声は、
『先生、どこも痛くありません。これでやっと物が噛めるようになります。以前義歯を作った時には、いつも、初めから痛くて痛くてたまりませんでした。こんなに軽い感じのする入れ歯は初めてです。』
と喜んで頂けました。
さて、この患者さんは遠方から来院されるため、この『生体用シリコーン裏装義歯』調整の為の予約を1週間後に取って帰宅していただきました。
一週間後、来院された時、
『先生、痛くないので、右でも左でも奥でも前でも自由自在に噛むことができます。』
との事。
一ヶ所だけ噛み合わせが高いような気がするとの事でしたので、その部分を僅かに調整しました。
『今後は豆類(ピーナッツなど)やお漬物(たくあん漬けなど)の以前の義歯で全く噛めなかった食品をどんどん食べて、新しい義歯で噛む訓練をして下さい。』
とお話ししたところ、
『分かりました、噛めそうな気がしますので色々試してみます。』
と嬉しそうにおっしゃって、帰ってゆかれました。
この患者さんにも、それっきりお目にかかっておりません。
本当に不思議な感情ですが『自分の役目が終わって、患者さんが楽しく食生活が送れるようになったら、自分はもう用済みなんだな!』と感じると、嬉しくもあり、寂しい気持ちにもなります。
生体用シリコーン裏装義歯を装着するたびに、これが『歯科医師の仕事なんだな!』と複雑な心境になります。
このように、この『生体用シリコーン裏装義歯』を装着した患者さんは必ず、
このように、この『生体用シリコーン裏装義歯』を装着した患者さんは必ず、
◎ 噛み締めてもどこも痛くない。
◎ 入れ歯がかるい。
とおっしゃいます。
そして、今までとは全く異なった食生活が送れるようになって、人生が楽しくなったと話して下さいます。
この素晴しい『生体用シリコーン裏装義歯』とはどのような義歯なのでしょうか。
『コンフォート義歯』はバイテック・グローバル・ジャパンが開発・作製した『生体用シリコーン裏装義歯』の正式名称です。 |