いびき・睡眠時無呼吸症候群
◆ 睡眠時無呼吸症候群の症状
当院を受診された睡眠時無呼吸症候群の患者さんの主訴は、
◎ いびきが激しく、時々止まるのを家族が心配している。
これは以外と多いパターンです。本人が気づいていないのがこわいですね。
◎ 昼食後の会議では必ず寝込んでしまい、上司に怒られる。
よく見かけますね。気持ちよさそうに居眠りをしています。
でも、ちゃんと寝ているわけではないんですよ!
◎ 昼間、仕事に集中できない。
この集中力の不足は睡眠時無呼吸症候群の代表的な特徴のひとつです。
◎ 寝つきが悪く、夜中によく目がさめるが昼間は猛烈に眠い。
中途半端な居眠りや昼寝のせいで、夜の寝つきがよくありません。
実は私も以前は昼食をとった後、眠くなって必ず昼寝をしていました。
でも、スリープスプリントを使うようになってからは、昼間に眠くなる事は全くありません。
スリープスプリントってほんとうにいいものですね!
といった症状が主なものですが、中には深刻な訴えもあります。
昼間、運転中にいつの間にか居眠りをして追突事故を起こした。
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こうなると、困った状態です。
しかも、この悩みを持った方は結構多いのです。
事故には至らなかったが、あわてて急ブレーキを踏んで難を逃れたという方は幸せな方かもしれません。
こんな方でもいつ追突事故になってしまうのかわかりません。
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良く聞いてみると、
『自分の前を車が走っており、前方の信号が赤に変わったので、
ブレーキを踏んだ所までは覚えているが、
次の瞬間に体に衝撃を感じて、ハッと気がつくと、前の車に追突していた。』
これは、もう何とかしてあげないと彼の人生に係わる一大事です。
この証言から、昼間に急に猛烈な眠気に襲われると、何の抵抗も出来ずに、自分の意思とは無関係に眠りに落ちてしまう可能性がありうる事を否定できません。
事業所の健康診断の際、何らかのチェックを行い、早めに治療する制度を確立する必要があると思います。
夜中に熟睡できていないので、居眠りしやすくなり、眠気が日中、突然に襲ってきます。
★会議中に突然眠り込んでしまった
★電話をかけている最中に眠ってしまった
★学校の先生が、授業中に生徒の前で寝てしまった
などの、通常の生活では考えられないような事態も現実に起こっています。
太った人には睡眠時無呼吸症候群が多く見られます。
それは肥満で咽頭粘膜にも脂肪が付いているためや、腹部の脂肪のために胸廓が 押し上げられ呼吸の浅くなることが原因なのですが、こういう人はおうおうにして 大雑把でのんき、お人好しで物事を緻密に考えるのが苦手と見られがちです。
けれどもこれも、実は睡眠時無呼吸症候群のために昼間は絶え間の無い眠気に悩まされている、そのせいだと考えられるのです。
こうした眠気のために、昼間からブラブラしていて、仕事がほとんどできなかったり、家庭生活でも問題が生じ、学生では成績が低下したりします。このため睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、怠け者とか精神障害者扱いされたり、実際にうつ病に なったりもします。
睡眠時無呼吸症候群が進行し重症化すると、呼吸器や循環器(肺や心臓)の障害から全身倦怠感や疲れ易さ、息切れなどの自覚症状が出てきます。 さらに高血圧の他、呼吸で吸い込む酸素が慢性的に不足するために、血液は少しでも たくさんの酸素を人体内に供給しようと、酸素を運ぶ赤血球の数を増やします。
不整脈から心不全と言って心臓が止まったり、赤血球が多くなって血が濃くなると 血管が詰まり易く、心筋梗塞や脳卒中を起こすこともあり、成人の突然死の原因でも あります。
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