マウスガード(スポーツ歯科)
◆ マウスガードに求められる条件
マウスガードの必要性は十分にお分かり頂けたと思います。
また、スポーツ外傷は、試合中よりも練習中の方が発生回数が多いといわれています。
それでは、今度は不適切なマウスガードの使用によって起こってしまう
症状について考えて見ましょう。
○ 噛み合わせを含め適合性の悪いマウスガードの使用により、顎偏位などをきたし、顎頭蓋機能障害(TMD)症状が現れる可能性が非常に高くなります。
○ 異物感がとても強かったり、発音しづらいなどの不都合が生じます。
○ また、正しい噛み合わせで調整できないと顎の関節を痛めたりもします。
最悪の場合には、マウスガードを装着することで、歯の破折や顎の骨折を助長したりすることもあるので注意が必要です。
○ マウスガードには市販品と歯科医院で製作するオーダーメイドのマウスガードがあります。
本人の口にあった、適正な噛み合わせを考慮して作られるものが必要不可欠なのは今さら強調する必要もない事です。
どのようなマウスガードを選択するにせよ、必ず利点・欠点があります。
■マウスガードの種類
単なるアーチ状のゴム枠で、既成のものをそのまま口の中に入れて使用します。
当然、いつも噛み締めていないと、簡単に外れてしまいます。
他に方法が無い時に、応急的に使用するのであれば、多少の効果が期待出来ると考えられます。
既製のマウスガードを自分で温水につけて軟化させ、お口の中に適合させて使用します。
当然の事として、適切な噛み合わせを得ることが難しく違和感の強いものとなります。
このタイプでは上顎と下顎の位置関係に前後・左右・上下の3次元的なズレが発生します。
結果としてお口の中で非常に位置の不安定な噛み締めを誘発し咀嚼筋や顎関節に対する過大なストレスとなり、結果として顎関節に色々な症状を引き起こします。 このタイプのマウスガードの欠点は奥歯のみが噛みあい、前歯の部分に隙間が出来やすくなります。
頭部に外力が加わった時、この噛み合わせの接触部分が支点となって骨折の誘因になる事があります。
『当院で作製しているオーダーメイドのマウスガード』で後述。
『当院で作製しているオーダーメイドのマウスガード』で後述。
マウスガードとしては最高峰と位置付けられるもので、設計自由度が一番高く、適合性も最良のものです。
しかし、作製過程に多くの時間と労力が必要となるうえ、使用材料や設備等のコストが高価になる為、患者さんの経済的負担がかなり大きくなります。
いわゆる『トップアスリート』の方が使用するのに最適なマウスガードです。
K-1の時にボブサップ選手がリングに吐き出したマウスガードや、プロレスの中邑選手が練習中に使用しているのも、このタイプのマウスガードだと思います。
■当院で作製しているオーダーメイドのマウスガード
当院では、『バキュームタイプ』と『ラミネートタイプ』の2種類のマウスガードを作製しております。
価格 10,000円 |
このタイプのものは、低年齢用または普及タイプとしては便利なマウスガードです。
価格が比較的安価である事のみが利点でしょうか?
これはちょっと専門的な話になりますが、マウスガード作製過程で噛み合わせの調整を行います。
価格 10,000円 このバキュームタイプのマウスガードでは奥歯の部分に十分な厚みを確保できないために、予防効果が不確実な場合も少なくありません。
でも、市販品を使用するよりは多少良のではないかと考えられます。
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色はホワイト・イエロー・グリーン・ブラック・オレンジ・蛍光グリーン・蛍光オレンジ・蛍光ブルー・蛍光イエロー・半透明の中からお選びいただけます。
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価格 25,000円 |
このタイプのマウスガードは、
★設計・作製時の自由度が高い。
★使用する際の競技の種類に対しても広く対応できる。
★衝撃吸収能が良好。
★適合性が良い。
★装着感が良い。
★噛み合わせを適切な状態に作ることが出来る。
★外傷からの予防効果がかなり高い。
などの利点を有しています。
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ラミネートタイプのマウスガードは、
① マウスガードを装着しても苦しくない。
② 装着しても話が出来る。
③ 装着感が良くフイットして外れない。
④ 衝撃を受けて狂った下顎位を素早く元に戻せるため脳震盪の回復が早い。
という特徴があります。
外傷から歯やお口を守る効果は『バキュームタイプ』に比べてはるかに確実で、安全に使用できます。
このため、競技時間が最も長い毎日の部活などの練習の際に最適です。
勿論、試合の時に使用するのもこの『ラミネートタイプ』がお勧めです。
作製過程が『バキュームタイプ』に比べてはるかに複雑であるために、治療回数は2回ですが、出来上がりまで約1週間程かかります。
初診時に歯型と咬み合わせを採り、2回目の来院で調整、装着します。
2色の色を組み合わせて作製できるため、紛失時に見つけやすく、他人のマウスガードと間違える心配がありません。
怪我をしないように スポーツを楽しみましょう!
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