顎関節症
◆ 顎関節症の治療
■顎関節症はどのように治療するのでしょうか?
顎関節症がどんな状態であるか御理解いただければ、その治療法は、噛み合わせる筋肉を安静な状態に保ちつつ、ズレた下アゴを何らかの治療法で、本来あるべき位置に戻してあげれば良いことがお解かりになると思います。
即ち、
① まず、左右の噛み合せに関係している筋肉を十分に休める。
② 上下のアゴの位置関係が理想的な状態になるように、左右の筋肉のバランスを直す。
③ 理想的な上下のアゴの位置関係が保てるように噛み合わせをなおす。
④ 虫歯等の治療の必要な歯は全て治療して、良好な状態にする。
と言うことができます。
この治療の方法に関しては、歯科医によって考え方に違いがありますし、治療方法も全く異なったものになります。すでに主治の歯科医の先生がおられる方は、詳しい事を主治の歯科医の先生にお尋ね下さい。
この、治療方針の違いは特別なものではありません。
目の前の山を登るとき、急斜面を短い距離で登る方もいれば、山の周囲をぐるぐると廻りながら頂上を目指す方もいます。
結局、たどり着くのは頂上であって、それまでの道のりや上り方に違いがあれば、必要な装備や要する時間が異なるのと同じ事です。
顎関節症においては、その治療の方法が複数あり、歯科医がどの方法を選択するかの違いです。
■当院での顎関節症の主な治療方針
当院での顎関節症の治療方針は、上記の①②③④を順番に確実に行なってゆきます。
まず、『スプリント』と呼ばれる装置を作成し、これを主に夜寝ている間にお口の中に装着して頂き、噛み合わせに関係する筋肉の安静を計ります。
経過を観察しながら、次の治療法を選択して、左右の噛み合わせに関与する筋肉のバランスを整えてゆきます。
最終的にズレた下アゴを生理的に正常と思われる位置に誘導してゆくという治療を行います。
下顎が生理的に正常と思われる位置に誘導されたら、この状態を保ち、元に戻らないようにするために、噛み合せを修正します。
噛み合わせの修正の段階で、治療の必要な虫歯は全て治療を済ませます。
治療期間については個人差がありますが、一般的には1~2週に1回程度の通院で、特殊な症例を除き6ケ月程で終了します。検査も治療も全く痛くありません。
顎関節症の病態は複雑で、その治療方針も症例ごとに違います。当然、症例ごとに使用するスプリントも異なります。
当院での顎関節症の治療の一端を『スマイルデンチャー』のページ、および『口臭治療のページ』の「不思議な体験」に記載致しましたので、興味のある方は御覧下さい。
顎関節症の患者さんを治癒に導き、治療が終わった後に必ず思い出す言葉です。
顎関節症が治った患者さんの歯列、歯並び、顎の運動は驚くほど単純なものになっています。
人間が自然の一部であるとすれば、歯並びや顎の運動は、物を食べるという最も基本的な動作に深くかかわるもので、本来単純なものであるべきかもしれません。
その状態がストレス等が原因となって複雑化し、その影響がお口やお口の周囲、全身に歪みを生み出し、色々な症状を表す病気が顎関節症の本態ではないかと思えてなりません。
【 追 記 】
このホームページを公開したあと、数名の方より、
『実際のところ、具体的にどのような手順で治療を進めてゆくのか?』
『スプリントとはどんな形をした装置か?』などの
ご質問を頂きました。
前述の通り、顎関節症の状態や治療方針は人により異なるので、全てを記載出来ないのが実態です。
作製致しますスプリントも症例により異なります。
治療の方法や装置に対する不安や心配が、悩みのタネになっておられるようです。
自覚症状があるにもかかわらず、どこの歯医者で治療すればよいのか分からない方が、かなりいらっしゃる事も分かりました。
実は、私自身もかつては顎関節症で悩まされました。私の場合は若かりし頃受けた矯正治療が原因ではないかと考えています。
歯科的な治療として色々なスプリントを作製して自分自身で試しました。
実際にスプリントを装着した時にどのような状態になるのかは自分自身の治療を通して色々と経験致しました。
皆様方ひとりひとりに合ったスプリント療法について、詳しく御説明出来ると思います。
顎関節症の症状でお悩みの方がおられましたら、早めに御来院頂ければ、症状に応じた治療法につき、丁寧に御説明いたしますので、まずはお話しをお聞きに御来院下さい。
一人でも多くの皆様のお役にたてれば幸いです。
顎関節症についての悩みや聞いてみたい事・御相談がありましたら、 具体的な症状や症状が起こった時期や経過等を出きるだけ詳しく記載して頂き、下記よりお送り下さい。
できるだけ詳しい治療方針や日常生活でのアドバイスを返信させて頂きます。
↑このパソコンの画像をクリックしてください!
どんな些細な事でも結構ですので、ホワイトニングについて知りたい事がございましたら遠慮なくお問い合わせ下さい。
※顎関節症治療の費用について
健康保険における顎関節症の治療はそのガイドラインが示されており、使用できる装置等も限られているのが現状です。
顎関節症につき沢山述べて参りました。
いろんな要素が複雑にからみあって発症する事が多く、治癒に導く過程で歯科医が使用したいと考える装置もさまざまです。よりまして、治療に当たっては健康保険の適用でない装置や治療法を行った方が効果的な場合も少なくありません。
病気の性質上、歯科医が治療に制限を加えられると、治療がやりにくくなる場合も少なくありません。
歯科医によっては完全に保険を離れて一般治療(自費治療)のみで治療にあたる先生もいらっしゃるとお聞きしております。
治療に係わる費用につきましては、主治の歯科医の先生に納得ゆく説明をお聞きになってください。
当院では、始めのうちは健康保険の適用になる検査や装置は健康保険を適用しますが、治療中の経過次第では、健康保険の適応になっていない装置を使用した方が良い場合もあります。
治療法は患者さんの状態によって異なります。
治療法は患者さんの状態によって異なります。
当院での治療を希望される場合には、御来院いただければ、まず治療法や治療の意義、費用等につきまして詳しくご説明させて頂きます。
お話をお聞きになった上で十分にお考えになって、日を改めて治療を開始するかどうかを判断して下さい。
来院頂いた日に治療を開始するのは、始めから本人が強く治療を希望している等の特別の場合のみです。
原則として時間をかけて良く考えていただいてから治療を開始致します
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<東洋医学に興味のある方へ>
東洋医学を学んだ方でOリングテストや入江式フィンガーテスト等が出来る方は、音素診を使って簡単に診断する事ができます。
『ゲ』の音素診を行いますと、Oリングテストでは「オープン」となり入江式フィンガーテストでは「ステッキィ」となります。
さらに、IPコードが使える方は、所定の位置を見つけ出してつなぐと、アゴの痛みが和らいだりします。自分の顎関節症も他人の顎関節症も簡単に見分けられますので是非試してみて下さい。中国4000年の歴史には感謝、感謝ですね。
また、歯科医の中にはこのOリングテストやフィンガーテストを使って、歯に施してある詰め物や冠の高さを決定して、数本の歯の詰め物や冠を適切な高さに設定して顎関節症を治す先生もいらっしゃるという話を聞いた事があります。
詰め物や冠を作り直して、試適の段階でOリングテスト「クローズ」、フィンガーテスト「スムース」になる高さを探してゆくのだと思います。
しかし、顎関節症において、下アゴは前後・左右・上下の3次元的にズレていますので、この先生はOリングテストだけでこの3次元のズレを治している事になります。
きっと人には教えない自分だけのマル秘テクニックを別に持った先生だろうと考えられます。
多いんです。東洋医学を学んだ方は書物に記載のない治療法を自分で偶然見つけ出し、誰にも教える機会の無いまま、自分だけ技術になってしまい、そのうち人に教えたくなくなって、自分自身の治療とか、患者さんの治療に活用する極秘のテクニックになってしまうのです。まぁ、人の事をとやかく批判できる立場ではないかもしれません。
私自身が同じ穴のムジナかもしれません。
いつか、お会いする機会があったら一献傾けながら、治療談義に花を咲かせてみたいと思っています。
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