口臭治療
◆ 原因の抑制
さて、口臭の原因について、大まかな事は理解して頂けたと思います。
■口臭の原因を理解して、出来るだけ除去する
でも、良く読んでみると、全部を完璧に実行できそうにありませんね。
しかし、口臭の治療は歯科医師と患者さんが連携して初めて良い結果が生まれます。
口臭は色々な原因が複雑に絡み合って起こります。全部を完璧に実行できないのであれば、出来る範囲内で、ひとつひとつの原因を小さくしてゆけば良いのです。
毎日出来る範囲でコツコツと実行に移して下さい。そうすれば、人の鼻に感じる程度の口臭はほとんどなくなると思います。
■口臭の原因を理解して、出来るだけ除去する
生理的な口臭の周期を良く知り、できるだけ朝ごはんをきちんと食べましょう。
朝ごはんを食べないで出勤すると、午前中は口臭ぷんぷん臭わせて、同じ職場の同僚に嫌な思いをさせ、自分では全く気づかないという不幸な状態になりますよ。
このグラフは、人間のお口の中の一日の細菌数の変化のグラフとほぼ同じ形をしています。
これは、口臭とお口の中の細菌数が密接に関連している事を物語ります。
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まず、朝起きたときには、夜間寝ている間に細菌の数が増えています。
これは細菌も生き残りをかけて子孫を増やしている訳ですから当然の話ですが、寝ている間は唾液の分泌量が減り、お口の中も適度な温度となり、細菌にとって増殖の絶好の環境が整うために大量の細菌がお口の中にはびこるのは仕方ありません。
我々人間は細菌と共生して暮らしています。お口の中の細菌も、私たちの健康維持には欠かせない役割も果たしています。
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朝ごはんを食べると、大量の細菌が食物と一緒に嚥下されます。
嚥下された細菌は胃酸でほとんど死んでしまい、私たちの健康に影響を及ぼすのは特殊な場合のみです。
この前後に歯磨きをするとさらに細菌数は減ります。
この段階では、人の鼻に感じる生理的口臭は無くなると考えて良いと思います。
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仕事を始めて、お昼近くになると、再び細菌が分裂・増殖して、その数を増します。
こうなってくると、次第に危険信号が灯ることになります。
気をつけていると、お口の中が乾いていたり、すこしネバネバした感覚を感じ取ることができます。
適量の水分補給を欠かさずに、お口の中を出来るだけ細菌が増殖しにくい状態にしましょう。
特に昼食前の商談等では気をつける必要があります。
歯磨きも水分補給もままならない時もある事と思います。当然、私にもそんな時があります。そんな時、私は『最後のカード』をきります。
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お昼ごはんを食べると、朝食後と同じ理由で細菌数が減ります。
午後の仕事をしている間に、お口の中で再び細菌の増殖が始まります。
午後からはだんだん体が疲労してきます。増えた細菌の発する臭いと、疲労による生理的口臭が重なり、仕事が終わる頃は口臭という観点から見ると最悪の状態になっています。
大切な接待やデートが控えている場合には、何らかの対策を立ててから、行動を起こす必要がありそうですね。
夜、寝る前には、丁寧に歯磨きをしてお休み下さい。
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問題は生理的口臭の起こりにくい時間帯の過ごし方という事になります。
『食品と口臭のページ』を参考にして頂き、後に口臭の起こり易い行動を避けるようにしましょう。
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自分に人の鼻に感じる程度の口臭が起こるかも知れない時間帯には注意が必要です。
上のグラフを見てお分かりの通り、昼食前、夕方が一番人の鼻で感じ取れる口臭が起こる時間帯です。
この時間帯には、お口の中が乾かない様にお水やお茶を飲む事は有効だと考えられます。しかし、炭酸系飲料・柑橘系飲料はこの時間帯には不向きな飲み物です。
また、人の鼻に感じる程度の口臭が起こりにくい時間帯にスナック菓子・臭いの強い食品などの口臭の原因になるような間食を控える事も大切です。
私の診療所はデパート内にあり、患者さんの半数以上は接客が重要な仕事になっています。
こういった宿命を背負った患者さんを相手に、もう20年以上歯医者をやっています。
今治療している患者さんが、どんな部署でどのような仕事をしているのかを十分に把握する事は私にとって大切な仕事のひとつです。
そして、ひとりひとりの患者さんの性格を考慮しながら、患者さんと一緒になって職場内で『口臭防止のために出来る事』を考えます。
そして、出来るだけ効果的な方法を模索しながら毎日の診療の中で適切な助言が出来る様に努力しながら口臭の悩みを訴える患者さんを、一人でも多く治癒に導けるように頑張っております。
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