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山形屋歯科坂上医院:ホワイトニングQ&A

ホワイトニングQ&AHEADLINE

◆ ホワイトニングQ&A

 山形屋歯科坂上医院のホームページの「歯の相談」から寄せられる質問や、実際のホワイトニング治療の時に患者さんから受ける質問は、似たようなものが多く、皆様は同じようなところに疑問を持つものだという事がわかりました。

 ここでは、ホワイトニングに関して多くの皆様から頂いた質問とその回答につき、代表的な『ここが気になる』について述べてゆきます。

Q1  ホワイトニングの費用はどれくらいかかりますか?

A.
 ホワイトニング治療は健康保険がききませんので、自費治療の扱いとなり、各歯科医院でそれぞれ価格を決める事になっています。

 自費治療の価格に関する考え方は、歯科医療といえども資本主義経済の原則に逆らっては成り立たないということです。

 歯科医院の経費や院長の治療方針、技術料が価格に反映されるために、歯科医院ごとに価格が異なります。

 まず、高いレベルの治療を責任をもって行なうには、歯科医師も相応の出費を負担して、日々の診療に当たっている事を御理解下さい。

 次に、『適切な診断』、『患者さんとの話し合い』、『適切な治療方針の決定』というステップを踏んで初めて料金の設定へと話がすすんで行くのが、ごく当然の流れではないでしょうか。

 料金の事は大切ですので、あとでトラブルの元にならないように、最初に担当の歯科医師と十分に話し合って納得してから治療を開始して下さい。

 では、ホワイトニングの価格はどのような条件を考慮して決められるのでしょうか。
 
① 歯科医師がホワイトニングの技術を習得するために参加したセミナーの参加費用と交通費。(研究費)
② 歯科医師がホワイトニングの技術を習得するために購入した書籍代。(研究費)
③ ホワイトニングに使用するホワイトニング剤反応速度加速装置やその他の機器の費用。(設備投資費)
④ ホワイトニング剤の歯科医院購入価格(システムにより異なりますが、ホワイトニング1回分の薬剤費は3000円~1万円と幅があります。)、およびホワイトニング治療に必要な消耗品。(医薬品費・消耗品費)
⑤ 人件費。
⑥ ホワイトニングの治療方針。(診断料および維持管理料)
⑦ ホワイトニング手技料。(技術料)
⑧ ホワイトニング用の個室がある歯科医院では、個室を作るための施設建設費および維持費。(設備投資費)
⑨ センスの良い環境の歯科医院では、雰囲気のよい空間にするための内装費および維持費。(設備投資費)
⑩ 雑誌や新聞などに広告を掲載している場合には、これに係わる広告費。(宣伝広告費)
 
 あとは、立地条件等にかかわる地代や固定資産税、借地借家料なども、条件の一部になると考えられます。

Q2  ホワイトニングは安全ですか?歯の表面が溶けて虫歯になりやすいと聞きましたが・・・。

A.
 もし、そのような事があるとしたら、もう20年以上の歴史を持つホワイトニング大国のアメリカでは、殆どの人が虫歯だらけで、若くして総入れ歯の人が溢れかえっており、世界中でホワイトニングは禁止されているはずです。

 御安心下さい。ホワイトニングは安全な治療です。
 ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素水(オフィスホワイトニングでは15~35%、ホームホワイトニングでは過酸化水素に換算すると3%強)は消毒剤として使用されている成分と同じですので副作用は心配する必要はありません。

 成分の残りは、増粘剤と触媒です。これに関しても全く心配はいりません。

 米国食品医薬品局(FDA)でも安全が保障されており、安全性については全く問題ないと言えます。

その安全性は、米国歯科医師会(ADA)も認めており、日本でも歯科大学の研究室などで研究され、多くの論文等で証明されています。

 薬剤の安全性を厚生労働省が認めるのには、動物実験により起こった反応を分析して人体に及ぼす影響を推測するか、既に一般に使用されている場合にはその副作用を調査の上、使用が妥当であるかどうかを決定します。

 ホワイトニング剤の過酸化水素水は「毒性」「副作用」が無いために、お口の中での使用に理想的ということから、長年殺菌・洗浄に使用されています。

 過酸化水素はオキシドールと同じ成分で、濃度が36%以下ならば低濃度のものとして体内に入っても害がないものとされ安全で広く普及しています。

 通常、オフィスホワイトニングの薬剤には増粘剤を含ませ、垂れ落ちないようにしてあります。

 万一、垂れ落ちて飲んでしまっても、大量に飲み込むことなど考えられません。

 誤って少量のホワイトニング剤を飲み込んだとしても、唾液や消化物質と直ちに反応して分解するために毒性はありません。

 さらに、ホワイトニングの際に活性酸素であるフリーラジカルが発生した場合の安全性については、その活性酸素は生体で分解できる量であり、しかもその多くは生体内ではなく空気中で分解されるため、問題は無いとされています。

 では、『歯の表面が溶ける』伝説はどこから生まれたものなのでしょうか?

 これは私の憶測ですが、ホワイトニングが研究され始めた数十年前に、初めて実験に使用された薬剤は「塩酸」だったと聞いたことがあります。

「塩酸」ならば歯を溶かしてしまう事も考えられます。
 今から30年程前、ホワイトニングに使用する薬剤は全て過酸化水素水過酸化尿素に変わりました。

現在では、ホワイトニング剤自体には歯を弱くしたり、溶かしたりする作用はありません

 また、全く不思議な事ですが、日本では厚生労働省が認可していないホワイトニング剤が、何故か売られています。

 これらの海賊版ホワイトニング剤の中には「酢酸」「クエン酸」等が使用されているものがあります。

 この製品は、歯の前処理として、歯のエナメル質の表面に、これらの「酢酸」「クエン酸」を作用させて、意図的に歯の表面を腐食させるのだそうです。

 全く信じられない製品が売られているものです。

 こういった怖い話は、尾にヒレが付いて伝言ゲームのように広がって、間違った情報として皆さんの耳に入るのだと思います。

 御安心下さい。

 皆さんがホワイトニング治療を歯科医院で受ける際には、きちんと厚生労働省の認可が下りた製品を使用しております。

 皆さんの大切な歯に危害が加わるような事はまず考えられません。

Q3  ホワイトニングは痛くありませんか?

A.
 オフィスホワイトニングとホームホワイトニングに分けてお答えします。

 この、ホワイトニング中の「いたみ」ついては本文中に詳述してあります。

 オフィスホワイトニングに係わる「いたみ」は、ホワイトニング中に起こる歯のエナメル質からの脱水によると考えられる「いたみ」と、治療が終わった後に歯がしみるような感じの2つです。

 歯のエナメル質からの脱水によると考えられる「いたみ」は、オフィスホワイトニングの最中に「ピリッ」とした「いたみ」を感じる場合がありますが、我慢しなくてはならない程のものではありません。

『「あれっ!」「あれっ!」、ああおさまった』という感じで終わってしまいます。これに関してはビヨンドシステムではビヨンドジェルの開発により、劇的に改善され、ほとんど痛みらしい「いたみ」はなくなり、むしろ若干の不快症状と言った方が適切です。

 ホワイトニング終了後に『歯がしみるような感じ』または『歯が痛痒いような感じ』がする事がありますが、ビヨンドシステムではビヨンドジェルの開発により、この症状も軽減され、早ければ半日、長くても3日程度で完全に消失してしまいます。

 また、この「いたみ」が歯の神経に影響を及ぼす事もありませんので、まったく心配いりません。

 ビヨンドシステム以外のシステムを採用している歯科医院の場合には、担当の歯科医師に詳しくお聞き下さい。

 次にホームホワイトニングに係わる「いたみ」に関しては、ホームホワイトニング中に歯がしみるという方がたまにおられます。

 また、ホームホワイトニング後に歯の知覚過敏が起こる場合もあります。

 ホームホワイトニング中に歯がしみる場合には、ホワイトニング剤の量を減らしたり、一回のホワイトニング時間を短くする事で対処できます。

 ホームホワイトニング後に歯の知覚過敏に関しては、ほとんど心配はありません。

 山形屋歯科坂上医院では、事前にこの知覚過敏が起こったときにマウストレーに注入して30分程使用して頂く、知覚過敏抑制剤を必ずお渡ししておりますが、未だに誰もこの知覚過敏抑制剤をホワイトニング期間中に使用された方はおられません。

 このような知覚過敏は、ほとんど1日程度でおさまってしまいます。

 仮に、このような症状が出た場合にはホームホワイトニングを毎日せずに、2~3日おきに行なえば、問題なくホワイトニング治療を終了させる事が出来ます。

Q4  オフィスホワイトニングを受けたのですが、1週間もたたない内に歯の色が元にもどってしまったような気がするのですが・・・?

A.
このたぐいの質問は時々聞かれるものです。
 また、私自身がホワイトニングを始めて自分の歯で経験した時も、似たような感情を持ったのを覚えています。

 通常オフィスホワイトニング直後にはエナメル質内の水分が失われ、これによる光の乱反射で、実際よりも少し白っぽくみえます。

 色が元に戻るのには相応の時間がかかる事は『 ホワイトニングのメカニズム』の項目で御説明しました。

 では、なぜ短期間の内に『歯の色が戻った』と感じる事があるのでしょうか。

 これには2つの理由が考えられます。
  ① 新しい状態に目が慣れてしまった。
  ② 周囲を取り巻く色の関係で、歯が実際よりくすんで見える。(目の錯覚)


 オフィスホワイトニングにおいては、元の歯の色の系統で、変化する程度と白さの後戻りする程度が異なる事を『オフィス ホワイトニングについて』の項目で御説明しました。

 ホワイトニングをオフィスホワイトニングのみで行なう際には白さの定着(色がかなり戻りにくくなる状態)が得られるまで繰り返し行う事になりますが、早い段階で治療を中止した場合には、効果の後戻りが早期に起こる可能性も否定はできません。

 しかし、実際に歯の色が戻ったという方の色を、治療終了時の記録と照らし合わせて検討してみても、ほとんど白さに変化はありません。

 初診時の歯の色と治療終了時の歯の色、それから現在の歯の色を、色見本で比較して頂くと、実際には色が戻っていない事を納得して頂けます。

 まず、『①新しい状態に目が慣れてしまった。』という状態ですが、旧型のブラウン管テレビから地デジ対応薄型液晶ハイビジョンテレビに買い換えたとします。
 初めの何日間かは、「なんと薄いテレビだろう。」「いままでより画像鮮明で美しい。」と感激しますが、暫くするとそれに目が慣れてしまい、その状態が当たり前になり「薄い」「美しい」と感じなくなってしまいます。

 これと同じ事が歯の白さの評価にも起こってきます。

 毎日鏡で歯を見ていると、その色に慣れてしまい、元の色がどんな色だったのか判らなくなってしまい、「ひょっとしたら色が戻ったのかも。」と勘違いしてしまうのです。

 もし、ホワイトニング治療後に「色がもどったのかな?」と感じたら、本当に色が戻ったのか、ただ目が慣れてきただけなのかを、担当の歯科医師に確認してもらうと良いでしょう。
 次の『②周囲を取り巻く色の関係で、歯が実際よりくすんで見える』という状態ですが、これは人間の目の錯覚のせいで、ある程度の規則性があります。
 たとえば、照明です。

 皆さんが良く使っておられる蛍光灯の下では、実際よりやや白く青味がかって見えます。

 普通の白熱灯の下では実際より黄色味がかって濃い色に見えます。

 また、周囲の壁の色などにも影響を受けます。
 白色、青色、灰色系の壁紙の環境では白さがぼやけ、茶色やオレンジ色の壁紙の環境では白さが強調されます。

 実は私の自宅の洗面所は、壁が白色、前面上部より蛍光灯の光、天井からは白熱灯が照らしているという環境です。

 このような環境では、屋外で太陽光の下で見る時より、白色が押さえられ、やや黄色味がかって見えます。

 この状態を逆手にとって、自宅の洗面所で、十分に白く輝く歯の色が維持出来るように、丁寧に歯磨きを行います。また、この環境下でタッチアップの適切な時期を判断する事ができます。

 また、日焼けした肌には歯は白く映えて見えますし、濃い口紅も歯の白さを引き立たせます。

 普段は気づき難い事ですが、服装や髪の色でも歯の白さが異なって見えます。濃い色の服や髪も歯の色を輝かせてくれます。

 黒髪の方と栗色に髪を染めた方とでは、歯の見た目の色合いに歴然とした差がでます。

 同じような色合いの歯でも、髪の色が黒で、着ている服が色の濃いものの場合には、歯は確実に実際より白く見えます。

 一方、栗色に染めた髪で、色合いの薄い服装の方は歯が実際の色よりもくすんで、暗く見えます。

 黒髪で、色の濃い制服を着て、お客様と接する銀行などの窓口の女性の後ろの壁の色が茶系の色だったりすれば、笑顔の美しさは最高に強調される事になります。

 街で、誰かと待ち合わせをする時、時間があったら、道行く人の髪の色と服の色で歯の色がどんな風に違ってみえるのか観察してみると面白いですよ。

Q5  差し歯や治療してある歯も白くなりますか?

A.
 歯全体にセラミックスやブラスチックを被せてあるような状態では、ホワイトニングの効果は期待できません。

 ただ、『ホワイトニングのメカニズム』の項目で御説明した通り、セラミックスやブラスチックの表面に着色物質が沈着している場合、ホワイトニングで、この着色物質が漂白されるので、一時的に白くなる場合もありますが、直ぐに元に戻る事の方が多いでしょう。

 また、歯の一部に詰め物が詰めてある場合には、自分の歯だけがホワイトニングで白くなり、詰めてあるプラスチックなどはそのままの色で取り残されます。ホワイトニング治療が終わったら、歯と同じ色の材料で治療しなおした方が良いでしょう。

 神経が死んでしまったり、神経を取った歯では、ホワイトニング効果はあまり芳しくありません。

 このような歯には『ウォーキング・ブリーチ』という方法がありますが、歯が折れやすくなったり、歯の根の一部が吸収するなどの副作用が心配されます。
 このため、多くの歯科医院では『ウォーキング・ブリーチ』は行なわれていないのが実態のようです。

Q6  ホワイトニング治療は誰でも受けられるのですか?

A.
 ほとんどのケースで前歯に虫歯がある方が持つ疑問のようです。

 前歯がむし歯で黒くなっている場合には、この黒さはホワイトニングではとれません。

 きちんと治療を受けてからホワイトニング治療をする事をお勧めします。

 また、虫歯が軽度な場合にはホワイトニング治療を先に行なって、白くなった歯に合った色の材料で治療しても差し支えない場合もあります。

詳しい事は担当の歯科医師にお尋ね下さい。

 全身的な病気のある方はホワイトニング治療ができない場合もあります。詳しくはかかりつけの医師か、担当の歯科医師に御相談下さい。

Q7  ホワイトニング治療は何歳くらいから受けられますか?

A.
 お子さんの中にも歯の色の悪い方がいらっしゃいます。

 歯の色の悪い原因が何であるかによっても異なります。

 ご両親が気になさる程お子様の歯の色が悪いケースではホワイトニングの難症例になる場合が多いので、相談を受けた時には何とかしてあげたいとと思うのですが、歯の成熟度とホワイトニングのメカニズムを考慮すれば14歳ぐらいまではホワイトニング治療は避けた方が良いと考えられます。

 私は、原則として20歳過ぎた時期がホワイトニングを初めて行うのに適切な時期と考えております。

Q8  年をとると、歯が黄色くなってとても気になるのですが、ホワイトニング治療はできますか?

A.
 本文中で『アンチエイジング』のためのホワイトニング治療について述べましたとおり、加齢による変色はビヨンドホワイトニングに良く反応してくれます。

 ただし、加齢と共にホワイトニング剤が効果を現すのに時間がかかるため、同程度の色調でも若い方と比べると白くなるのに回数や時間がかかります。

 また、高齢の方は極端な白さを望まれる事が少ないので、治療計画を弾力的に変更しながら、ホワイトニング治療を行なえば、ほとんどのケースで御希望の白さになります。

 

 山形屋歯科坂上医院でのホワイトニング治療の最高齢者は79歳です。

 私にとっては、かなり印象的な症例でしたので、御紹介いたします。

 上の写真はビタシェード(色見本)を明るい順番に並べたものです。

 私の担当させて頂いた最高齢79歳(女性)の患者さんの初診時の色は、上のビタシェード(色見本)の一番暗く、茶色いC4よりもはるかに暗く、濃い色調でした。

 何かで繰り返し煮しめた様な色でした。拝見したとき絶句してしまいました。

 診断が出来ないのです。

 困り果てたのですが、なんとかなりませんかとの言葉に、思わず『出きるだけの事はさせて頂きます。』と答えました。

 いつでも来院できるが、自宅でのホワイトニングはしたくないとの事でオフィスホワイトニングが御希望でした。

 内心、この患者さんが納得するまで、何回でもホワイトニングをしようと心に決めて、大赤字覚悟でオフィスホワイトニング治療を開始しました。

 幸いな事にというか、ホッとした事には、1回目のオフィスホワイトニングでC3にまで明るくなったのです。

 あんなに判別不可能な色だったのに、一回でここまでくるのなら、きっとA系統に違いない。

 これなら5~6回で何とかなるかもしれないと考え、週に1回のホワイトニングを重ねてゆきました。

 5回目のホワイトニングが終わった後、シェードはD3まで白くなりました。とてつもなく濃い、暗い色から、たった5回のオフィスホワイトニングで日本人の平均の白さに届いたのです。(日本人の平均の白さはA3.5~A2です。)

 この段階で患者さんは十分納得されて、たいへん喜ばれて、ホワイトニング治療は終了となりました。

 この患者さんのお陰で、高齢の患者さんのホワイトニング治療に自信がつきました。

 現在では、高齢の患者さんの場合には、ホワイトニングを行ないながら、その反応を十分に観察しながら、治療計画を弾力的に変更して、最終目標の色合いにまで明度を上げてゆくという手法で治療を行なっております。

Q9  何度も通院するのが面倒です。1回で真っ白な歯にする特別な方法はありませんか?

A.
 鹿児島は多くの離島を抱えています。このような場所から当院まで通院するのは大変な労力と時間がかかります。

 このような質問は離島の方から寄せられる事が多く、なんとかしてあげられたらいいのになといつも思います。

 ホワイトニングのメカニズムを考慮すれば、一回で真っ白にするのは大変危険な事です。

 理論的には、まずホワイトニング剤である過酸化水素水の濃度を高濃度にして、歯の表面に塗ったホワイトニング剤を、人間が我慢できる極限の温度にまで上げて、人間が我慢しうる限界の時間ホワイトニング剤を交換追加しながらホワイトニングを行なえば、恐らく1回でかなり真っ白になると推測されます。

 しかし、その後大変な事が起こります。歯の神経は過剰な刺激に耐えられず、無菌性の全部性歯髄炎を起こして、大変な痛みに苦しめられる事になります。こうなると全部の歯の神経を抜かなくてはならなくなります。

 また、急速に白くした歯は急速に効果の後戻りがくる事は容易に予想できます。

 巷には、これによく似た大変危険なホワイトニング治療を行なう施設があるという話を聞いた事があります。これは、もう治療ではなく、歯の破壊行為です。

 元の歯の色合いや性質から判断して、その歯にあった治療方針でホワイトニング治療を重ねてゆき、歯を白く、明るくするのがホワイトニング治療の本来の姿です。

Q10  現在妊娠中なのですがホワイトニング治療はできますか?

A.
 妊娠中にホワイトニングをしてはいけないという根拠は現在のところどこにもありません。

 しかし、妊娠中あるいは授乳中に胎児や赤ちゃんに危険性が及ばないという保障もありません。

 ホワイトニング治療では薬剤を使用します。

 この薬剤の影響がまったくないという研究結果もない段階では、絶対に避けるべきです。

 ホワイトニング治療は緊急性の無い治療です。

 今は丈夫な赤ちゃんを産む事にのみ専念し、赤ちゃんが生まれたら子育てに専念して下さい。

 やがて、赤ちゃんもすくすくと育って、一段落する時期がきます。

 この時期にホワイトニングを開始しても、あなたの人生の中でホワイトニング治療が遅すぎたという事はありません。

Q11  ホワイトニング中に起こる予期せぬ不都合な事はありませんか?

A.
 ホワイトニング中に遭遇する不都合な事で、皆様が最も心配するのは、ホワイトバンド、ホワイトスポットの出現です。

 ホワイトバンドは歯に白い横縞が現れる状態です。ホワイトスポットは歯に白い白斑が出現する状態です。

 どちらも、予測不可能な事が多く、初めてのホワイトニングの際に出現します。出現する頻度は20~30人にひとり程度です。

 歯の表面の構造は全面に渡って均一というわけではないのです。ホワイトニングされやすい部分とホワイトニングされにくい部分があります

 このホワイトバンドもホワイトスポットもホワイトニングされやすい部分が先にホワイトニングされて白くなり、ホワイトニングされにくい部分が白くなりきれずに残って帯状に白く見えたり、白いスポットとなって現れているだけの事です。

 ホワイトニング治療を計画通り進めてゆけば最終的には歯全体がホワイトニングされ、ほとんど目立たない状態になります。

 人はあなたの歯ばかり見ているわけではありません。ホワイトバンドやホワイトスポットが出現している間は多少気になるかもしれませんが、最終的にはほとんど目立たない状態になります。

 どうしても気に入らないという場合には、ホワイトニングの最初の段階で治療を中止すれば、必ず消えて元の状態に戻ります。ただし、歯の色も悩んでいた頃の色に元通りに戻ってしまいますが。

 『ホワイトニングのメカニズム』の項目に、歯の色が元に戻るメカニズムも述べてありますので、良くお読みになって下さい。

 山形屋歯科坂上医院でのホワイトニング治療でホワイトバンドが現れた症例のうち、ホワイトニング治療を最後まで続けて終了した場合には、診療台の上で歯に照明をあてて、じっと目をこらして見ると、ここがホワイトバンドのあった場所だろうなぁという感じに見える程度で、診療台から降りてこられて、立ったまま話をするような状態では、私が注意して見てもほとんど判らない状態になります。

 治療を中止するよりは、そのまま続行したほうが良い結果になると思います。


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